猫の爪の手入れ方法について学びましょう
猫の爪の手入れ方法について学びましょう
猫は自分自身で身体をきれいに保つことができる生き物ですが、それでも飼い主が定期的な手入れを行う必要があります。
では、猫の手入れにはどのような注意点があるのでしょうか?猫の手入れをすることで、同居人は猫の体を目で確認することができます。
もし猫の体に何か異常があれば、早期に気づくことができるでしょう。
猫の手入れはただ猫をきれいにするためだけでなく、猫の健康状態をチェックするための重要なアクティビティです。
猫の爪の手入れ方法には以下のようなものがあります
– 爪の切り方 – 耳の掃除 – 目や目の周りのケア – 口や歯の手入れ – お尻の周りの手入れ – 毛のブラッシング – シャンプー
猫の爪の手入れ方法について詳しく見ていきましょう
定期的に猫の爪を切ることで、猫が望ましくない場所で爪を研ぐことを防ぐことができます。
特に外に出ることが許されている猫の場合、どのような危険な状況に巻き込まれるか分かりません。
爪を深く切りすぎないように留意する必要がありますが、家の中で飼育されている場合や複数の猫がいる場合は、定期的に爪を切ることで家具や建具、そして家族や猫自身を爪の被害から守ることができます。
爪を切るための道具には、ハサミタイプやギロチンタイプなどさまざまなものがありますが、自分にとって使いやすいものを選びましょう。
猫の爪は割れることがあるため、人間用の爪切りを使わずに、専用の猫用爪切りを使用しましょう。
また、爪を切りすぎてしまった場合に備えて、止血剤のようなクイックストップや、おとなしくさせるためのバスタオルなどが必要になることもありますので、準備しておきましょう。
猫の爪の構造
猫が爪をとぐことによって、一番外側の爪(固い角質)をはがし、その下にある尖った爪を出す仕組みについて詳しく説明します。
猫の爪切りをする際には、1本ずつの爪の伸び方を観察してみてください。
同じ日に同じように爪切りをしても、伸び方のスピードが異なることがあります。
よく利用する爪は伸びるのが早く、あまり使用しない爪は伸びるのが遅くなります。
子猫や運動量の多い若猫時代では、約7~10日ごとに爪切りをすることが推奨されますが、高齢になると2~3週に一度の爪切りが目安となるでしょう。
初めての爪切り
猫の爪を初めて切る方は、どこまで切れば良いか不安を感じるかもしれません。
また、切りすぎて出血させてしまうと、猫も痛みを感じます。
日々のしつけは、なかなか覚えてくれない猫ですが、このような痛い経験は一度で覚え、次からはおとなしく爪切りをさせてくれないこともあります。
不安を感じる方は、獣医に相談して、どの程度を切れば良いか教えてもらいましょう。
猫の爪の切り方
猫をしっかりと膝の上に抱き、自分の親指と人差し指で切る爪を軽く押すと、爪が外に出てきます。
爪を明るい光でのぞいてみると、神経や血管が通っている部分が見えるでしょう。
半透明でかすかに赤い筋がある場所は生きている部分なので、切らないようにしましょう。
先端の白くなった部分は死んでしまった組織ですので、ここを切りますが、生きた部分から最低でも2mmは空けて切りましょう。
初めはわずかに、爪先をちょんと切るだけで大丈夫です。
慣れてきたら少しずつ深く切ってみましょう。
爪切りに限らず、押さえつけられることを嫌がる猫は多いです。
おっかなびっくりで抱き上げようとする飼い主の緊張感を感じ取り、抱っこされた瞬間から身をよじって逃げ出す子もいます。
猫の耳掃除
耳掃除は、何時でも行わなければいけないわけではありません。
しかし、耳の外側に黒く汚れた耳垢が目立つ猫の場合は、目に見える範囲だけを清潔に拭き取る必要があります。
特に、耳の病気に悩まされやすいスコティッシュフォールドのような耳の形が特殊な猫種や外に出入り自由な猫は、耳ダニを持ち帰ってくる可能性もあるので、耳の内部もチェックする必要があります。
なお、薬局や獣医師から入手できる耳掃除用の薬液を使うと、殺菌効果もあり、耳掃除がスムーズに行えます。
私たちは「Virbac Epi-Otic」という薬液を数滴をカット綿に含ませて使用しています。
目をきれいに
猫の目やにが気になったら、食事をすると目やにが出ることがあります。
特に鼻が短い猫にはよく見られる現象です。
鼻と目の距離が短いため、涙管が詰まりやすくなります。
その結果、食事をした後などに目やにや涙が増えるのです。
また、幼い頃に風邪を引いて完全に治らなかったため、慢性的な蓄膿症になっている猫もいます。
そういった猫も、やはり食事の後は目やにや涙が増えやすくなります。
目やにを放置しておくと、白い毛色の猫では涙やけが起こり、毛の色が変わることもあります。
また、その部分には細菌が溜まりやすくなるので、目やにや涙が出ていることに気づいたら、カット綿などで優しく拭き取ってあげましょう。
猫の歯磨き、口の中の手入れ
老齢になると、口の中のトラブルが多くみられるため、猫の口腔内のお手入れと健康チェックは日頃から重要です。
老齢に限らず、口の中に悪い雑菌を持つ猫や、歯のエナメル質が弱い猫も存在します。
大切な家族である猫が口のトラブルで苦しむ前に、口腔内のお手入れと健康チェックを行っておきましょう。
日常生活の中でチェックしたいことは、歯茎の色がきれいなピンク色であるかどうか、歯茎を触ってもピンク色に戻るかどうか、異常な口臭がないか、食事が食べにくそうになったり、涎が出ないかなどです。
これらの点に特に注意して観察しましょう。
食事と歯の関係については、ドライフードを好む猫は比較的歯がきれいな子が多い傾向があります。
猫の歯のお手入れ方法
猫の歯は噛んで食べるよりも、ドライフードを食べることで適度な刺激が与えられ、歯垢がつきにくくなることがわかっています。
さらに、歯垢予防に特化したオーラルケア対応のフードも販売されています。
また、猫の食事が缶詰がメインの場合、歯が汚れやすくなるため、永久歯に生え変わった後に歯のお手入れに挑戦してみることをおすすめします。
週に1~2回、少し湿らせたカット綿を指に巻き付けて、歯の外側を軽くこするだけでOKです。
歯の内側は歯石がつきにくいため、主に外側を中心に磨いてあげましょう。
前歯(門歯)にはあまり歯石がつきませんが、奥歯は形状が複雑なため、歯石が溜まりやすくなります。
そのため、奥歯には重点的に磨くようにしましょう。
猫用の歯磨きジェルなども市販されていますが、猫によって好き嫌いがありますので、カット綿のみでこすってあげるだけでも効果はあります。
もし、歯石がひどく溜まってしまった場合、ドラッグストアで手に入るスケーリング用の器具を歯茎と歯石の境目に当て、力を入れてこすると、比較的簡単に歯石を取ることができます。
しかし、力を誤ってかけると出血してしまう可能性があるため、注意が必要です。
痛い思いをした猫は二度と口を開いてくれなくなるかもしれません。
また、歯垢が溜まってしまうと、猫も人間と同じく歯周病にかかり、最終的には歯を抜かなければならなくなることもあります。
歯石が深刻な状態になっている場合は、獣医師に相談し、歯石除去をしてもらうことをおすすめします。
猫のお尻のお手入れ方法
猫は怖い経験や嫌な出来事があると、お尻から非常に臭い液を噴出することがあります。
私の家では、お尻近くをコーミングするとこの臭い液を飛び散らす猫がいます。
そのため、この猫をコーミングする前には必ず肛門嚢絞りをしておきます。
この臭い液は、猫の肛門周辺にある臭腺から分泌される液体です。
猫の肛門嚢絞りについて
イタチやスカンクが攻撃にあった時に出すものと同じで、肛門のすぐ脇、時計の文字盤でいうと4時と8時付近の穴から出します。
肛門嚢からの分泌物は、通常は便などと一緒に排泄されますが、下痢や便秘、肥満、高齢、またはストレスで出にくくなると、袋の中に大量に溜まってしまいます。
そして細菌感染などで炎症を起こすと肛門嚢炎になってしまいます。
そこで定期的に肛門嚢を絞り、この液を出してあげるのですが、なにしろ異常に臭いので、肛門嚢絞りが一番最適なのはシャンプーのときです。
頻繁に猫をシャンプーしない場合は、月に1回程度絞りに挑戦してください。
猫の肛門嚢絞りの方法
用意するものはティッシュペーパーだけで大丈夫です。
絞った後をふくために、ウエットティッシュがあればより良いです。
猫は肛門嚢絞りを嫌がることが多いので、ひとりが猫の頭と身体を押さえて、もうひとりが絞る、というように二人で協力する方がやりやすいでしょう。
絞る人は片手で猫のしっぽを根本から持ち上げて、ティッシュを数枚肛門にあてがい、時計の4時と8時のあたりを斜め下から押し上げるように、あまり強くない程度の力を入れます。
肛門嚢に分泌物がたくさん溜まっている場合は、しっぽを盛り上げた段階で肛門嚢の穴がふくらんで見えますし、馴れると指でもふくらんでいるのが感じられます。
分泌物がたくさん溜まっている場合は、勢いよく飛び出してくることがありますので、出終わるまでティッシュペーパーを放さないように! 何度も書きますが本当に臭いので、分泌物が出た時は猫の体につかないようにキレイにふいてください。
もし、肛門嚢の穴やふくらみが感じられず、分泌物も出なければ溜まっていないということなので、無理に出そうとしなくても大丈夫です。
猫のお手入れについて
猫は自己グルーミングを行うことで表面的にはキレイに見えますが、家族としての健康を考慮すると、さまざまなお手入れが必要です。
ただし、すべてのお手入れを一度に行う必要はありませんし、毎日行う必要もありません。
お手入れには猫が好まない要素が含まれているため、猫が最もリラックスしている時や同居人が気持ちに余裕がある時に少しずつ行ってください。
猫の身体を触ることで健康状態がわかり、猫との親密度も高まります。