猫が噛んだりひっかいたりする理由

猫が噛んだりひっかいたりする理由

猫が噛んだりひっかいたりするのには、いくつかの理由がありますが、その一つは狩猟本能によるものです。

猫は本来、獲物を捕まえるために噛んだり引っ掻いたりする動物ですが、現代の社会では猫が自分で獲物を捕まえる機会はあまりないですよね。

でも、猫はそれに代わる遊びの中でこの狩猟本能を発散しようとします。

例えば、ねこじゃらしを見つけると飛びついて噛みつくような行動は、猫の狩りの本能が刺激され、ねこじゃらしを獲物と見立てて遊んでいるのです。

実際に、猫は本能が刺激される動きや音、匂いを感じると、お腹が空いていなくても獲物を狙う行動を取ります。

猫が獲物を狙うとき、彼らは身体を低くかがめ、お尻を少しあげて尾の先を動かし、足を踏みしめながら狙いを定めています。

そして、チャンスを見逃さずに飛びかかり、前脚で獲物を抱え込んで噛みつきます。

猫の遊び方から狩猟本能について学ぶ

猫は後ろ脚を使って猫キックをしたり、前脚や口でおもちゃを高く放り投げたりして、様々な動きで遊びながら狩猟本能を満足させます。

猫が噛んだ時の状況を判断し、適切に対応することの重要性

猫はお腹が空いていなくても本能に刺激されると飛びかかっていく生き物です。

そのため、猫が噛んだりひっかいたりするのは、ある意味当然の行動と言えます。

しかし、猫に慣れていない人は、猫が遊びの延長で軽く噛んでも「噛まれた!」と大騒ぎしてしまう傾向があります。

猫の牙や爪を恐れ過ぎると、噛まれることに過敏な反応をしてしまい、猫は噛むと自分の思い通りになると思ってしまうことがあります。

その結果、猫の行動に合わせる形で生活する必要が生じるかもしれません。

そのため、猫がどれくらい噛んだのか、噛んだ状況や意味を冷静に判断し、それに適切に対応することが重要です。

また、眠くなっているとむずかり噛むこともあります。

子猫が噛みつきたがる理由と時期

眠たくなってきた子猫は、身体が熱くなりむずかり、あらゆるものに噛みつこうとします。

子猫がしつこく噛みつき始めたら、眠くなってきた合図だと思って間違いありません。

また、乳歯が永久歯に生え替わる時期、生後3~4ヶ月頃になると、子猫は歯がむず痒くなり、より一層噛みつきたがるようになります。

猫に甘噛みを覚えさせる方法

子猫は生後3~4週間頃から動くものを目で追い、お母さん猫の揺れるシッポにじゃれつくことができるようになります。

足元がまだおぼつかない頃から、子猫は遊びながら動くものに素早く反応することを学んでいきます。

兄弟猫がいる場合、子猫たちは追いかけっこをし、飛びかかり、前脚で抱え込んで後ろ脚で猫キックして噛みつき合います。

このような遊びの中で、子猫は甘噛みを覚えることができます。

甘噛みの重要性と子猫への教育方法

甘噛みとは、子猫同士が遊びの中で噛み合いを行いながら、噛む加減を学ぶ行為です。

遊びの中で興奮しすぎて本気で噛みあってしまうこともありますが、そのような場合には悲鳴や抗議の鳴き声を上げたり、噛み返したりといった攻防が行われます。

しかし、仲間同士の関係を保つためには「甘噛み」の加減を学ぶ必要があります。

子猫同士の遊びは、猫の狩りの本能を満たし、その能力を鍛えるだけでなく、猫の社会性や性行動の学習にも繋がります。

したがって、新しく迎える子猫は、生後2~3ヶ月まで親や兄弟との生活を経験してから迎え入れることが望ましいです。

しかし、親や兄弟との関わりがなかった子猫には、噛む加減を知ることができない場合があります。

このような場合、飼い主はその子猫の代わりの親や兄弟として振る舞い、遊びを通じて教育やしつけを行う必要があります。

ただし、猫のしつけでは、体罰などは絶対に行ってはいけません。

具体的な叱り方としては、鼻ピンなど軽い刺激が効果的な場合もありますが、基本的には体罰を避けるべきです。

また、子猫の歯は針のように尖っているため、甘噛みでさえも非常に痛いものです。

噛まれた場合には、絶対に指を引き抜いてはいけません。

引き抜くと、歯が当たって指を切ってしまう恐れがあります。

また、本気で噛み合うことも避けるべきです。

手を噛まれた場合には、まず猫の目を見て「痛い!」と声を出します。

そして、噛まれている指をそのまま喉の奥まで突っ込んだり、手をパーにして猫の口を押さえ込んだりすることは避けます。

歯が強く当たった場合には、大きな声で「痛い!」と叫ぶことが効果的です。

猫がひっかく時の状況と対応の仕方

猫が前脚でひっかく時の状況とは、猫が興味を持ったものを確かめたいときや、自分の方に引き寄せたいときに使う場合が多いです。

具体的な状況例としては、ご飯がまだ出ていないのに待たせられているときや、おもちゃ遊びをしている猫がつかもうとしたおもちゃが人の手に当たってしまった時、または遊びのモードで人の足を獲物と見立てて飛びかかってくる場合などが挙げられます。

飼い主さんが前脚でひっかかれてけがをする状況は、このようなケースが多いようです。

一方、猫が後ろ脚キックでひっかく時は、前脚よりも後ろ脚による傷が深いことが多いです。

このような状況の例としては、猫が何かに驚いてダッシュで逃げる時や、長時間撫でられて猫が「もうやめて」というサインを出しても触り続けて怒らせた時などがあります。

このような時に、飼い主さんが後ろ脚の瞬発力で蹴られ、打撲のような痛みやミミズ腫れが起きることがあります。

以上、猫がひっかく時の状況とそれに対する対応の仕方について説明しました。

ひっかかれるリスクを減らすためには、猫の行動やサインをよく観察し、適切な対応をすることが大切です。

猫と遊ぶ時の注意点と遊び方

■適切な遊びの終了タイミングを見極めることが大切 猫と遊ぶ際には、どのように遊ぶかだけでなく、遊びを終了させるタイミングも非常に重要です。

猫は遊びに興奮するとますます興奮し、行動が荒くなることがあります。

ですので、適度なタイミングで遊びを終了させることが必要です。

遊びに夢中になる一方で、飼い主は猫が興奮しすぎないように注意しなければなりません。

猫が猛烈に追いかけてきているように見えても、冷静に猫の興奮状態を観察し、遊ばせたり刺激したりしすぎないようにしましょう。

■手で遊ばせる時は挑発やじらしを避ける 「手で猫を遊ばせるべきではない」という意見も一部に見受けられますが、私は手で猫と遊ぶこと自体に問題はないと考えています。

ただし、手で遊ぶ場合は注意が必要です。

猫に挑発したりじらしたりするような遊び方は避けましょう。

猫にとって手は安心できるものであり、気持ちよく遊んでもらえるものと認識してもらうことが重要です。

また、猫をじらすことも避けた方が良いです。

例えば、布団の下で指を動かすと猫は興奮して飛びついたり噛みついたりして遊んでくれますが、これを習慣化してしまうと、将来的に一緒に寝ているときに猫が足の指を噛みつけてくる可能性があります。

猫が喜んでいるからといって遊ばせ続けることは、将来的に問題を引き起こす可能性があります。

したがって、安全で喜んで遊べる方法について考えることが重要です。

猫がパニックを起こした時の対応方法

ひとつひとつの猫の個性によって、パニック時の反応は異なるでしょうが、ほとんどの猫はパニックを経験することでしょう。

■猫がパニックを起こす原因 猫がパニックになる原因はさまざまです。

聞き慣れない音、見慣れないもの、香りが違うもの、突然のシャワーやドライヤーの音、ドアがバタンと閉まる音にも反応する猫がいます。

猫の尻尾を踏んでしまったり、神経質な時に触ろうとするだけで、怒り出すこともあります。

猫は非常に用心深い生き物なので、自分が普段慣れ親しんでいるものであっても、形が少し変わるだけで、身を乗り上げ、攻撃態勢に入れることがあります。

同居人でも、帽子をかぶったり、髪型を変えただけで、しばらくは識別できない猫もいます。

■猫がパニックを起こしている時の猫の様子 パニックに陥った猫は、丸い目を開き、身体を膨らませたり、興奮して体を駆け回ることがありますが、しばらくすると落ち着いてきます。

猫が怒っていたり、恐怖心から攻撃モードになっていたり、パニックを起こしている時は、顔つきが恐ろしくなり、低い声で唸り声を出しながら耳を横に下げ、全身の毛を逆立て、尾を膨らませます。

■猫がパニックを起こしている時は猫をひとりにして落ち着かせる このような場合は、猫を近づけない方がよいでしょう。

猫が落ち着くまでひとりにしておきましょう。

ただし、攻撃モードの猫から逃げ出す際に、猫の目を見つめるような行為や、恐がるような仕草を見せると、猫が飛びかかってくる可能性があります。

猫を一層刺激しないように、できるだけ冷静な態度で、ゆっくりと後ろに下がり、猫をその部屋に閉じ込めるのが安全です。

猫が飼い主を襲う時の対処方法

突然穏やかな家庭猫が凶暴になり飼い主を襲うことは非常に稀なケースですが、それでも飼い主は身体的な傷だけでなく精神的な傷を受けてしまいます。

普段は何気ない動作でも、立ち上がったり猫の前を横切っただけでも攻撃されることによって、飼い主は猫に対して不安を感じるようになるでしょう。

猫が飼い主を襲う原因1:環境の変化

猫が一転して攻撃的な行動を取る最も一般的な原因は、猫の縄張りや領域を侵害する出来事が起こったときです。

もし多頭飼いをしている場合、これまで仲良くしてきた他の猫が何かしらの拍子で自分の縄張りを侵したというイメージを持つことで、攻撃の標的は猫だけでなく、それを守ろうとする飼い主にも向かう可能性があります。

引っ越しや部屋の模様替え、新しい家具の導入などの環境の変化によって猫が不安やストレスを感じることも攻撃性行動の一因となりえます。

猫が飼い主を襲う原因2:転化攻撃

ある要因が引き金となりパニック状態に陥った場合、猫は偶然そばにいる人間や他の動物を攻撃の対象として選ぶことがあります。

これは転嫁攻撃と呼ばれるものです。

例えば、窓の外を通りかかった外の猫を見たことがきっかけだったり、大きな物音に驚いたり、刺激を受けるようなニオイがしたり、猫の鳴き声やそれに似た音にパニック状態になることもあります。

知り合いの方の猫は、猫の鳴き声の着信音が鳴っただけで飼い主に飛びかかってしまったと聞いたこともあります。

猫の攻撃を避ける方法

まずは猫を別の場所に隔離し、攻撃が起こった時の状況を把握しましょう。

飼い主の安全を確保するためにも、猫を別の部屋に閉じ込めることが必要です。

攻撃的な行動が起こったシチュエーションを正確に把握することで、その原因を特定し、同じ状況を避けたり、原因を解消する対策を考えることができます。

行動学を専門に研究されている獣医師に相談する

もし、何度も転嫁攻撃をする猫がいた場合、それはもしかすると神経的な病気を抱えている可能性があります。

そこで、行動学を専門に研究している獣医師に相談することをおすすめします。

猫に関する行動学は、猫の行動パターンや心理状態を研究し、その背後にある問題を解決するための方法を提案します。

獣医師は、獣医学の専門知識を持ち合わせているだけでなく、行動学の知識も持っているので、猫の行動問題について的確なアドバイスをしてくれるでしょう。

行動学の専門家である獣医師に相談することで、猫の転嫁攻撃の原因を特定し、適切な対策を講じることができます。

また、猫の神経的な状態や病変を評価し、必要に応じて適切な治療や薬物療法を行うことも可能です。

もし、愛する猫が転嫁攻撃をしているのであれば、その行動を専門的に理解し、猫の健康と幸福につながる解決策を見つけるために、行動学を専門に研究している獣医師に相談してみてください。

 

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