猫の餌の選び方・与え方のポイント

猫の餌の選び方・与え方のポイント

猫は非常に気難しい食べ物好きであり、体調や気分によって食べることができない時があります。

しかし、猫に無限の選択肢を与えてしまうとますますワガママになり、飼い主は猫の食事に困ることになります。

特に室内飼いの猫は自分自身で必要な栄養を摂取することができないため、飼い主が適切な知識を持っていることが非常に重要です。

そこで、猫の餌の与え方やキャットフードの変更方法、猫の年齢やライフステージに合わせた栄養素の選び方などを正しく理解しておくことが重要です。

また、餌を食べない場合の対処方法についても考える必要があります。

猫の餌与え方と猫の習性の関係

猫は食べ物をニオイで判断しています。

そのため、飼い主が猫の餌を与える際には、ニオイが飛ばないように注意する必要があります。

缶詰の場合は、1回分の量に合わせたサイズを与え、ドライフードの場合も2週間以内に消費できるサイズを選ぶようにしましょう。

また、密封容器に入れるなど湿気を防ぐことも大切です。

猫のムラ食いと餌の変更について

猫は元々ムラ食いの傾向がありますので、食べなくなったからといって急に別の餌に変えることはおすすめしません。

猫が30分以上餌に触れず、体調に問題がないようであれば、食器を下げても大丈夫です。

ただし、猫に対して「食べなかったらもっと美味しいものを出してあげる」というような印象を与えるのは避けるべきです。

猫の態度が通常と変わらない場合は、しばらく様子を見ることもできますが、2~3日以上経っても全く食欲がなくなっている場合は、迅速に獣医に相談することが重要です。

餌を与える際のポイント

・食べなくなったら、すぐにフードを変えないでください。

それで食欲が戻ることもあります。

・食べ残しは30分以上放置しないでください。

食器を下げてしまってください。

猫の餌の変更方法

猫の好きなフードがなくなったり、味やフレーバーが変わったりして手に入らなくなることもあります。

また、病気になって特別な療法食しか与えられなくなることもあります。

ですが、フードを変えるときは、急に全部を変えないでください。

今まで食べていたフードに新しいフードを少しずつ混ぜて、1週間ほどで変更してください。

その間、猫の便の様子を観察してください。

しかし、違うメーカーのフードを混ぜるのはおすすめできません。

それぞれのメーカーは、猫の栄養を研究して必要な量を食べるように設計しています。

フードを混ぜると、猫が本来必要な栄養を取る量が不足する可能性があります。

同じメーカーのフードだけ与えてください。

基本的には、同じフードを与え続けても問題ありません。

または、定期的にメーカーを変えることもできます。

これには様々な意見があります。

私の家では、最年長の15歳の猫を含めて、全ての猫に同じメーカーのフードをずっと与えています。

猫に必要な栄養素とは

猫は完全肉食獣であり、栄養面では水、タンパク質、炭水化物、脂肪、ミネラル、ビタミンなどが必要です。

これは人間と同じですが、猫の場合、必須アミノ酸のバランスなど、量や配合においては異なります。

そのため、バランスの取れた総合栄養食であるキャットフードを与えることが最も安全です。

ドライフードはすべて総合栄養食ですが、缶詰は表示を確認して与えるようにしましょう。

猫に必要な水の摂取

猫はイエネコの子孫であり、砂漠地帯に生息していたため、摂取する水分量が少なくても生きていける体質を持っています。

そのため、猫の腎臓は常にフル回転で働いています。

ただし、高齢猫の多くが慢性腎不全になるのは、このためです。

猫の体は胎児期から未成熟期には80〜90%の水分で構成されており、成猫になると60〜70%になります。

そのため、猫にはいつでも新鮮な水を飲めるように用意してあげることが重要です。

缶詰を主食にしている猫は、缶詰から約75%の水分を摂取できますが、ドライフードを主食にしている場合は、約10%以下の水分しか摂取できません。

そのため、ドライフードを与えている猫には特に、水をたくさん飲める環境を整えることが必要です。

猫に必要なタンパク質の摂取

タンパク質は猫の体の臓器や筋肉などの組織の基本的な構成物質であり、ホルモンや酵素、抗体の形成にも重要な栄養素です。

タンパク質は猫にとって欠かせないものであり、適切な量を摂取することが重要です。

キャットフードには十分な量のタンパク質が含まれており、猫が健康的な成長や体の維持に必要な栄養を得ることができます。

猫にはタンパク質を多く含む鶏肉や魚などの食材を与えることも助けになります。

しかし、猫には過剰なタンパク質の摂取は問題となる場合もありますので、バランスの取れた食事を心掛けるようにしましょう。

猫の栄養に必要な要素

猫は、1日の食事量の約26%~30%をアミノ酸で摂る必要があります。

アミノ酸はタンパク質の構成要素であり、猫の体はバランスの良いタンパク質を必要とします。

特に、猫にとって重要な必須アミノ酸はアルギニンとタウリンです。

猫の炭水化物の役割

炭水化物は、植物から得られる栄養素で主に糖質と繊維質から成り立っています。

糖質は猫のエネルギー源として利用され、繊維質は消化器官の正常な機能を維持します。

ただし、猫は完全肉食獣なので、エネルギーは主に脂肪とタンパク質から摂取します。

そのため、猫にとって炭水化物は重要な栄養素ではありませんが、キャットフードには栄養バランスを整えるために炭水化物が含まれています。

猫の脂肪の役割

脂肪は猫のエネルギー源として利用される他、脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割もあります。

猫は体内でリノール酸やアラキドン酸を作ることができないため、食物から摂取する必要があります。

ただし、青魚(マグロ、カツオ、アジ、サバ、イワシなど)に偏って脂肪を摂取しすぎると、皮下脂肪が変性して黄色脂肪症という病気になる可能性があります。

猫のミネラルの重要性

ミネラルは猫の体内のバランスを維持し、神経や筋肉の正常な機能を保つために必要です。

カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、塩素、イオウ、マグネシウム、鉄、フッ素、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素など、猫に必要なミネラルがあります。

ただし、他のミネラルやビタミンとのバランスが非常に重要です。

特に、カルシウムとリンの比率は1.2〜1.5倍の範囲で摂取する必要があります。

また、マグネシウムを摂りすぎると尿道結石などの泌尿器症候群を引き起こす可能性が高いため、適切な量のミネラルを含む良質なキャットフードを選ぶことが重要です。

猫のビタミンの役割

ビタミンは、猫の体内でさまざまな代謝反応に関与する物質の総称です。

ビタミンは必須栄養素であり、猫の健康維持に不可欠です。

猫の成長や体調に合わせた餌の選び方

猫の成長や体調には、栄養素やエネルギー量に異なるニーズがあります。

最近では、成長段階に合わせたフードがさまざまなメーカーから販売されていますので、各段階に合わせたものを選んでください。

市販のキャットフードには、カロリー表示と与える量が体重ごとに記載されていますが、個体差や運動量によっても必要な量が変わってきます。

記載されている量は目安となりますので、猫の体型や体調、食べ方、食欲のタイミングを観察しながら与える量を調整してください。

ほ乳期(生まれてすぐ~生後3~5週):1日に5~8回の授乳が必要です。

もし子猫の世話をする母猫がいる場合は、お母さんの乳が一番ですので、お母さんに任せてあげましょう。

しかし、お母さんが子育てに慣れていない場合や、子猫の数が多くて母乳だけでは十分ではない場合は、人工のミルクで補う必要があります。

ただし、猫は人間用の牛乳の乳糖を分解できないことが多いので、絶対に牛乳を与えないでください。

代わりに、子猫専用の粉ミルクを利用してください。

離乳期(生後3週~1ヶ月半くらい):1日に3~4回の食事が必要です。

離乳期の初めは、子猫のためのペースト状のキャットフードや、動物病院で処方してもらえる高栄養食の缶詰が最適です。

少量のペースト状のキャットフードを指に取り、子猫の口を開けて上あごにこすりつけて舐めさせます。

最初は一口から始め、徐々に舐めさせる量や1日の食事回数を増やしていきます。

子猫の離乳食の与え方

離乳食を子猫に与える際は、慎重に進める必要があります。

離乳食を始めてから、子猫が自分で食べられるようになるまで、通常は5日から2週間ほどの期間がかかります。

最初の離乳食は、1日に4〜5回程度与えます。

子猫が自分で食べられるようになったら、1日3回に減らしましょう。

量は子猫が食べたがる分だけ与えるようにします。

子猫が下痢を始めた場合は、離乳食を一時停止し、下痢が治まってから再度少しずつ与えてください。

離乳が順調に進んでいる場合、ベビー用のドライフードを与えることができます。

ベビー用のドライフードは通常、ふやかす必要はありません。

離乳期の始めの段階では、離乳食だけでは子猫が必要な量を摂取することができないため、母乳または粉ミルクと併用します。

子猫が自分でお皿の中のフードを舐められるようになるまでには、個体によって差がありますが、通常は離乳食を始めてから5日から2週間ほどかかります。

離乳食を与える回数は、最初は1日に4〜5回程度です。

子猫が徐々に自分で食べるようになってきたら、1日3回に減らし、食べたがるだけの分量を与えましょう。

常に子猫の排便の状態を観察し、下痢が起こった場合は一時的に離乳食を止めてください。

下痢が治まったら、再度少しずつ与えるようにしましょう。

離乳が順調に進んできたら、ベビー用のドライフードを与えることができます。

ただし、子猫の中にはペースト状のフードを嫌う子や、何度与えても自分から食べない子もいます。

しかし、ある日突然、ドライフードを食べ始める子もいます。

ドライフードを子猫に与える際、一部の人はお湯でふやかしてから与えることもありますが、一部の猫はふやかされたフードを嫌います。

ベビータイプのドライフードは柔らかめに作られているため、ふやかさずにそのまま与える方が良いでしょう。

子猫の体調や体型、便の状態に問題がなければ、食べたいだけ与えて構いません。

幼児期(生後1ヶ月半〜4ヶ月)には、良質なタンパク質とエネルギーが必要です。

この時期には、主にベビータイプのドライフードを与えてください。

ただし、子猫の体調や体型、便の状態に問題がなければ、食べたいだけ与えて構いません。

猫の成長段階ごとの食事管理

成長期(生後4ヶ月~7ヶ月):1日に2回の食事が必要です。

ベビータイプのフードから、子猫用のキトンタイプに変更します。

猫の体調や体型、そして排便に問題がなければ、好きなだけ食べさせても構いません。

成猫(7ヶ月~7歳):1日に2回の食事が必要です。

7ヶ月前後に去勢や不妊手術をした後、体重が急激に増えている場合は、ライトタイプやカロリーが少ないタイプのフードに変更することがおすすめです。

しかし、体重の増加が穏やかな場合は成猫タイプのフードを与えても問題ありません。

動物病院には、去勢や不妊手術後の体重管理をサポートするための特別なフードが用意されていることもありますので、手術の際に相談してみると良いでしょう。

猫の体重や体型、そして活動量に合わせて食事の量を調整します。

中年期(7歳~10歳):1日に2回の食事が必要です。

健康上の問題がなければ、成猫タイプやライトタイプのフードを与え、体重管理に注意します。

猫の体重や体型、そして活動量に合わせて食事の量を調整します。

老齢期(10歳以上~):1日に2回の食事が必要です。

全ての猫が老齢期に入るわけではありません。

そのため、特にフードを変更する必要がない場合もありますが、中にはタンパク質、脂肪、カロリーが少ないシニアタイプのフードに変更した方が良い場合もあります。

猫の体重や体型、そして活動量に合わせて食事の量を調整します。

また、以下の数式を使って猫の標準カロリーを計算することもできます。

これは餌の与え方の参考値として使ってください。

体重(kg)× 10週齢:250 kcal 体重(kg)× 20週齢:130 kcal 体重(kg)× 30週齢:100 kcal 体重(kg)× 40週齢~50週齢で活発な個体:80 kcal 体重(kg)× 40週齢~50週齢で不活発な個体:70 kcal 猫は、一度にたくさんの食事を摂ることが苦手で、何度も少量ずつ頻繁に食べたがります。

キャットフードでのアレルギー

一部の猫は、特定の物質に反応してアレルギー症状を引き起こすことがあります。

例えば、特定のタンパク質に対してアレルギー反応が起きることが多いですが、酸化防止剤や小麦、ハーブなどに対してもアレルギー反応を起こすことがあります。

症状としては、かゆみを感じて激しく顔や首をかいたり、軟便が続いたり、最初は硬い便が出るようになり、最後は下痢のような便となることがあります。

また、同じフードを長年食べていたのに、突然アレルギー反応が起きることもあります。

アレルゲンを特定して、それを含まないフードを与えることが最善ですが、アレルゲンの特定は非常に難しいです。

ですので、まずは獣医に相談し、低アレルギー食などを試して、食物アレルギーであるかどうかを確認することが重要です。

猫のエサの食器

猫のエサの食器として、プラスチックは使用しない方がよいです。

なぜなら、プラスチックは傷がつきやすく、その傷には細菌やカビが繁殖するおそれがあるからです。

これらの微生物が増えると、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、プラスチックの食器を使う場合は、定期的にしっかりと洗浄し、清潔な状態を保つことが重要です。

また、食器は耐久性があって、傷がつきにくい素材で作られたものを選ぶことをおすすめします。

陶器やステンレス製の食器は、これらの条件を満たしているため、猫のエサを与えるのに適しています。

清潔な食器を使用することで、猫の健康状態を守ることができます。

猫の食器の選び方と食事管理について

また、猫にはプラスチックにアレルギー反応を起こす個体も存在しますので、猫の食器は陶器、ガラス、ステンレス製のものがおすすめです。

特に、多頭飼いの場合でも、各猫に個別の食器を用意し、食べ方や食べる量をチェックして健康管理を行いましょう。

ほとんどの猫は食いしん坊であり、美食家でもあります。

しかし、猫が好む食事だけを与えたり、猫が欲しがるだけ余分に食事を与えることは避けましょう。

食事は、猫の健康管理の基本です。

それぞれの猫に合ったバランスの取れた食事を与え、その猫の健康をしっかりとサポートしましょう。

猫一匹一匹の特徴や体調に応じた食事管理を徹底し、猫たちが健康に成長するように心がけましょう。

 

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