猫の毛の特徴と種類

猫は、シングルコートとダブルコートの2種類の毛の生え方があります。

シングルコートの猫は、太くてしっかりとしたオーバーコート(上毛)と、柔らかいアンダーコート(下毛)を持っています。

毛の長さはさほど変わりませんが、毛質が若干異なる場合もあります。

一方、ダブルコートの猫は、オーバーコートよりも短くて柔らかめのアンダーコートを持っています。

密度のある二重の毛を持っており、暑い地方出身の猫ではシングルコートが、寒い地方出身の猫ではダブルコートが多い傾向にあります。

猫の抜け毛による毛球症に必要な対策方法について

猫は抜け毛の多い時期にはセルフグルーミングをすることがあります。

その結果、通常量以上の毛が体内に取り込まれることがあります。

一部の猫は毛玉を上手に吐いて排出できるため、心配はありません。

しかし、たくさんの抜け毛を飲み込んでしまうと、便秘や腸内に毛球が溜まってしまい、毛球症という病気になる可能性があります。

「最近なんだか食欲がないな?」、「運動量が少ないな?」、「吐き気を感じるような仕草はあるけれど、吐いたものが少ないなぁ〜」といった兆候がある場合は、毛球症に注意が必要です。

毛球はレントゲンでは映らないため、最悪の場合は手術が必要になるかもしれません。

猫用の草であるエン麦は、猫の栄養には必要ありません。

エン麦の葉には細かいトゲがあり、これが胃を刺激して吐きやすくなります。

好みによっては猫が摂取することもありますが、猫が食べない場合も多いです。

「猫には必ず草を与えるべきか?」という疑問がありますが、好みによります。

猫が草を好まない場合は無理に与える必要はありません。

毛が適切に排出されている場合、草を食べさせなくても問題ありません。

また、毛球を排出しやすくするためのサプリメントも販売されていますので、抜け毛の多い時期に使用することもできます。

グルーミング用の道具

猫の毛をきちんとお手入れするためには、適切なグルーミング用の道具が必要です。

ペット用品売り場に行けば、さまざまなグルーミング用品が並んでいますが、猫にはブラシよりもクシをおすすめします。

猫の毛は柔らかくて切れやすいため、ブラシを使って梳かすと毛が切れてしまうことがあります。

ブラシを使う場合でも、力を入れすぎないように注意しましょう。

短毛種の猫であれば、ラバーブラシは問題ありません。

短毛種の場合は、細いクシが使いやすいですし、長毛種の場合は、粗めと細めが1本になったクシが便利です。

クシを購入する際は、自分の手に当ててみて、クシの先が丸くなっていることを確認してください。

猫によって好みが異なるため、いろいろな道具を試してみることをおすすめします。

コーミングの基本

猫の毛をきちんとお手入れするためには、コーミングが欠かせません。

コーミングとは、クシを使って毛を梳かすことです。

ただ単に毛を梳かし抜け毛を取るだけでなく、コーミングを通じて飼い主が猫の体全体を触ることで、体のどこかに異常がないか早期に発見できる可能性があります。

コーミングは、毛を傷つけないようにクシをあまり深く入れず、やさしく梳かすだけでも十分です。

最初は目の粗いクシを使って、スムーズに通るようになるまで毛を梳かし、その後、細かい目のクシで仕上げると良いでしょう。

猫の毛づくろいの方法

猫の毛づくろいを行う際には、一気に毛を梳かそうとせずに、少しずつ毛を分けながら、毛先から徐々に毛の根本にクシを差し込むように梳かすと猫は嫌がらないでしょう。

特にシャンプー前や換毛期には、上記の基本的なコーミングを行った後、クシをしっかりと毛の根本まで入れて梳かしましょう。

また、クシについた抜け毛は定期的に取り除くようにしましょう。

抜け毛をクシに絡ませたままにしておくと、抜ける必要のない毛まで一緒に取ってしまう可能性があります。

子猫の場合の毛づくろいの方法

猫は成長して毛が伸びるにつれて、突然の毛づくろいに拒否反応を示すことがあります。

そのため、子猫の時から定期的に毛づくろいに慣れさせておくことが大切です。

ただし、猫によっては特定の場所や部位への触れ方に嫌悪感を示す場合があります。

例えば、頭や首、肩は許されてもお腹や太もも、シッポは避けたほうが良い場合もあります。

毛づくろいの時間は、猫と飼い主の両方がリラックスできる心地良い時間になるように工夫しましょう。

猫は嫌な経験や痛みを長く覚える傾向がありますので、不快な感情や痛みを与えないように注意しましょう。

毛づくろいが苦手な猫のケア方法

毛づくろいに抵抗のある猫に対しては、熟睡している時を利用して、最初は手のひらで優しく身体を撫でてみましょう。

徐々に強く撫でながら、5本の指をクシのように使って全身を梳かします。

手での触れ方に慣れたら、コームを使ってみましょう。

しかし、一度に全身を梳かそうと焦らずに、何回かに分けて少しずつ毛づくろいに挑戦してください。

また、クシを使っても嫌がらせなくなってきた場合でも、一気に全身を梳かそうとせず、まずは嫌がらないであろう首の周りを優しく梳きましょう。

最初はクシを皮膚まで届かせる必要はありません。

猫が嫌がらないようであれば、徐々にクシを深く差し込んで、皮膚を軽くマッサージするように梳かしてください。

ただし、力を入れすぎて皮膚を傷つけないように注意し、猫の毛の流れに沿って梳かすことを心掛けましょう。

逆毛を立てる必要はありません。

長毛猫のグルーミング

長毛猫の毛はすぐに絡まって毛玉ができる可能性がありますので、毎日のセルフグルーミングだけでは不十分です。

最低でも週に2~3回、換毛期には毎日手入れをしてあげることが大切です。

最初はまず粗めのクシを使い、全身に軽くかけて毛球がないことを確認しましょう。

次に細い目のクシを使って、毛が絡まっている部分を横に抜き取っていきます。

長毛猫をコーミングする際には、コームを入れる前の部分の皮膚を片手で押さえて、毛だけを引っ張らないように心掛けてください。

短毛種のグルーミング

短毛種の中でも、ダブルコートを持つ猫は太ももや脇腹に毛玉ができやすくなります。

短毛種には、クシの他にも柔らかめの豚毛ブラシやラバーブラシを使っても良いでしょう。

また、特に短毛種には独特のつやを出すために、セーム皮を使って体を拭いてあげる方法もあります。

さらに、濡らしたぞうきんを横に置き、少し湿らせた手で指クシを使って全身を撫でるだけでも、余分な毛がたくさん抜けます。

手ぐしを使って毎日全身を撫でるだけでも、猫はますます美しくなることでしょう。

毛がない猫の場合

毛がない猫、例えばスフィンクスのような猫の場合、グルーミングは楽かもしれません。

しかし、実は毛がない分、皮膚に脂が浮いて不潔になりやすいので、毎日蒸しタオルで身体を清潔にしてあげる必要があります。

スフィンクスにはアトピー性皮膚炎の猫も多くいます。

また、毛玉ができやすい箇所としては、脇の下や太ももの内・外側、胸などがあります。

毛玉ができた場合は、クシを使って毛玉を割りほぐすことができます。

ただし、一気にやろうとすると猫が痛がることがあるので、根気よく少しずつ毛を分けてやるようにしましょう。

毛玉がひどい場合は、指の腹を使って徐々に割りほぐしていくのがおすすめです。

クシでは力加減が難しいため、猫が痛がる可能性があるのです。

その点、指でほぐす方が安心です。

毛玉ができてしまったら

頑固なフェルト状になってしまった毛玉は、ハサミで切り取る必要があります。

ただし、猫の皮膚は非常に伸びやすいため、毛玉を引っ張って切り取ろうとすると皮膚まで一緒に切ってしまう危険性があります。

そのため、毛玉の根っこである皮膚と毛の間にコームを差し込み、その上部分だけをハサミで切り取るようにしてください。

猫の皮膚を傷つけないように注意しながら行ってください。

シャンプー

むだ毛を一気に取り除くには、シャンプーが一番効果的ですが、シャンプー前には念入りにコーミングして、事前に毛球やむだ毛を取り除く必要があります。

猫の毛は脂が多いため、毛球や抜け毛だらけでシャンプーしてもあまり意味がありません。

シャンプーは、毛を洗うのではなく、地肌を洗うつもりで行ってください。

シャンプー後は、季節によってはドライヤーを使わずにタオルドライだけで十分ですが、長毛種の場合は、仕上げに少しドライヤーを当ててコーミングするとさらに美しくなるでしょう。

猫のドライヤーの使い方と毛のケア

猫は、ドライヤーのモーター音や風が苦手なことが多いので、猫の横でいきなりドライヤーのスイッチを入れないで、ドライヤーを離してからスイッチを入れてみましょう。

その様子を見ながら、風を徐々に猫に当てるようにします。

猫が慣れてきてリラックスしている様子を見るまで、少しずつ風を当てる時間を延ばしていきましょう。

完全に猫の毛が乾いたら、再度じっくりとブラッシングしましょう。

この時、「本当に禿げてしまわないか心配ですよね」と苦笑いしながらも、実際には毛が抜けることがあります。

きちんと毛を取り除けば、しばらくは抜け毛が減ったことを実感できるはずです。

猫のシャンプーに関しては、自宅でできる猫のシャンプー方法を参考にしてください。

適切な栄養管理や適度な運動、ストレスを感じさせない生活などは、猫の健康にとって非常に重要です。

これらの内側からのケアと外側からのケアを日常的に行うことは、猫のお手入れに欠かせません。

猫の毛艶や肌の調子を良好に保つために、定期的なブラッシングやシャンプー、そしてドライヤーの使用による乾燥を適切に行いましょう。

猫をいつも健康で快適な状態に保つためには、継続的なケアが必要です。

 

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